「応天の門」の第12巻ネタバレ&みどころです。盗人の疑いをかけられた自分を解放させた人物が藤原基経と知った道真。彼の真意を知るため、基経の元を訪れたがー。道真&業平の最強バディが解き明かす平安歴史ミステリー。
【応天の門】12巻 62話 菅原道真、盗人に疑わるる事 Ⅱ
盗人と殺人の疑いを是か非にも晴らしたい道真ですが、業平は京にはおらず、もし父の耳に入り何か早まったことでもされては、と気が気ではありません。仕方なく、父は帝の侍読であり、これが冤罪だったら誰が責任を取るのか、上司である業平の留守にそんなことをしでかしたとなると…、と脅しをかけます。
脅しが聞いたのか1日だけ身の証を立てる時間が与えられ、訴え人の笹隆守が監視役で同行するというのです。時間のない道真は急いで昭姫の店や、色々な人に硯の情報を求めに奔走します。学生だったというので大学寮でも情報を得ようと行き、広相先生に相談していると「硯を売りに来た学生がいた」と言道が言い出します。
素行の悪い三人組の学生たちだったのですが、流行り病であっけなくなくなったというのです。道真はその学生の家に出向き、弔いに来た風を装って母親に硯の話を聞きだすと、確かにその硯は残されており、道真に形見として譲ってくれました。
無事に硯を取り戻し、犯人も分かったので一件落着と検非違使のところへ潔白を申し立てに行くと、手のひらを返したように道真をもてなすのでした。父・是清か大納言化、誰かが口利きをしたんだな、と勘繰っていると「今すぐ解放せよ」と言ってきたのは、参議・藤原基経だというのです…。
【応天の門】12巻 62話のみどころ

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らっち
しかし、基経がどうして? 大納言の次は参議、えらく大物たちに囲まれた感じだ…。狙いは何?

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しかも動きが早い。あの時、宮中で耳にしたわけでしょ。
お父さん、どうしてたの?
【応天の門】12巻 63話 在原業平、山中に桃源郷を見る事 Ⅰ
なぜ参議・藤原基経が自分を擁護したのか?父・是善が嘆願したのか?父にこれ以上藤原に頭を下げさせたくない…。礼を述べるために道真は基経の屋敷に赴きます。「なぜ私を助けたのか? 父が頼んだのか?」と聞くと、基経は先日教えてもらった漢詩の礼だと思えばよいと答えました。
しかし基経は実は下心があったのだと明かします。「そなたとこうして話してみたかった」のだと。忠臣も吉祥丸も「若いが才がある」と言って、お前に座を譲り身を引く、それがどのようなものか見たかったのだ、と。
引用【応天の門】灰原薬
道真が兄の日記に基経の前があったことを述べると、基経は「そうか、私を覚えていたか」と感慨深げな様子。そして突然、道真に自分の元に来れば、お前の望む学も位も手が届きやすくなろう、と言い出しました。
道真は『能有様が言っていた20年後の、藤原の勢力系統に菅家を取り込むつもりか』と緊張しますが、「菅家は学問で帝の世の栄に尽くしてきたので、帝以外には付くわけにはまいりません」しかも自分はまだ一介の学生に過ぎず、と言う道真に、基経は「おぉ、そうだったな。学問にまずは励め」とあっさり切り上げてしまいます。
ですが基経は最後に「道真、頭を下げる相手を間違えるな。お前の兄は間違えた、そなたと言えの為に」と声をかけるのでした。「私は兄とは違う」という道真に、基経も「私も兄どもと同じではない」というのでした。
基経の部屋から下がってきた道真は、そこで忠臣に出くわします。驚く忠臣…。理由を問われ、あらましを話したすけてもらった理由が分からないので、礼に来ただけだ、とそそくさと立ち去る道真ですが、「渤海のことを聞けばよかった…」なんて思ったりして…。
忠臣が基経のところへ行くと「あの若者は面白い。お前を脅かすほどの才というべきか」と基経が…。そして、お前のことは何もわかるまい、今まで通り、よき師、よき兄でいればよい、と言うのですが…。
さて、こちらは業平。目が覚めると怪我をしており、女たちに助けられていた様子。実は従兄弟の貴族に領地の巡察を頼まれて来たのでした。村は女人村と言われ、生まれるのは女ばかり、しかも15歳になる前に半分は死んでしまうという村、その調査に向かう途中業平は崖から足を踏み外し行方不明だったのでした。
助けてくれた女たちに送られ霧の中を抜け出ると、無事に従者たちと逢えたのですが、村の老婆が言うには業平があった娘たちはすでに亡くなった者たち、業平は隠れ世へ行きかけ戻ってこれたのだと…。
【応天の門】12巻 63話のみどころ

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忠臣の驚き方は、やっぱり尋常ではないんだけど、全然気が付かないのよね、道真。渤海のこと聞けばよかったなんて。聞かれたら、忠臣大変だよ~

らっち
忠臣としては絶対に知られたくない秘密だよ。それにしても、基経の本心はどこに? 本気で召し抱える気ではなかったと思うが…

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若い道真の技量を測った、ってこと? 自分というものを刻み込んでおきたかった、とか?

らっち
う~ん。吉祥丸の日記に自分の名前があったって聞いて、「覚えていたのか」って、嬉し気な感想だよね?

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道真ならずとも、吉祥丸が生きていたら?と思ってしまう。
あの時、手古は父に捨てられ、叔父に買われた、っていう傷ついた状態だったんだよね… 頭を下げる相手を間違えるな、それは自分への言葉でもあるのかな

らっち
しかし、お前の才を脅かすほどの才、と言われた忠臣はどういう心境なんだろう…
【応天の門】12巻 64話 在原業平、山中に桃源郷を見る事 Ⅱ
あんたは隠り世に行ったのだ、良く戻ってこれた、霧深い日に山で迷うと死んだ者に会うことがあるのだ、と老婆。戻れぬ者もいるが、あんたは運が良かったと言われ、業平たちは早々に都へ引き上げます。
業平の従者・是則が道真にどうか業平の命を助けてくれとやってきました。疫病や飢饉で死んだ者たちの棲む隠リ世、そこへ業平は迷い込んだというのですが、道真はそこで何か食べたかと尋ねます。業平はかゆを食べた、貧しい村と聞いていたのに米の粥が出て驚いた、と応えます。
道真はあの世の食べ物を食べたら、もうこの世には戻れない、戻ったと思っているが実は亡骸は崖の下にあるのでは?と脅します。道真は陶淵明の「桃花源記」という物語に書かれている隠り世、落人村の話をして、隔絶された村があるのかも知れないと言うと、脅しが効きすぎたのか、是則に泣きつかれ、とうとう村まで調べに行く羽目に。
道すがら検非違使ともめたらしいな、と聞かれた道真ですが、どうせ誰かから聞くだろうし、自分からわざわざいう事もないと基経の件は話しませんでした。
村の郡司の屋敷は、貧しい村という割にぜいたくな暮らしをしているようでした。郡司制度は4年任期で他の土地に移動させられるので費用がかかる、その蓄えの為に税の上前をはねる、それは贅沢をすためだけではない、と業平は言います。
国が定めた税法だけでうまく成り立っているわけではない、何かしらの小さな不正で均衡を保っていることもある、と業平は言います。女だけの村などある筈がない、だが男が生まれたとなると労役にとられる、だから女ばかりが産まれたことになっている、それでも頭数の税が取れるから逃散されるよりはましなのだ、と業平は理だけでは世の中が成り立って行かないことを道真に教えるのでした。
不正をしないと食っていけないのがおかしい、と道真は答えますが、彼の脳裏には昭姫の言った「帳尻合わすっていうのは、数のことだけではない」という言葉が甦ります。
業平が落ちた崖までたどり着くと、老婆が弔いの花だと言って崖から花びらを撒いていました。昔疫病が流行った時、娘3人が人身御供としてこの崖から身を投げたのだとか。その祟りで女しか産まれず、その女たちも子を産む前に死ぬ、ここはやがて消える村だ、と言うのですが。
その時道真がむかごを見つけます。山芋は栄養価が高い、この種を取って植えれば飢えがしのげると、崖っぷちから身を乗り出し転落!そして落ちた淵で見たものは…。
【応天の門】12巻 64話のみどころ

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隠り世とか落人村とか、そういう所は租税からは免れていたのよね。
そういう税のこと、道真はお役人的発想で捉えているけど…

らっち
業平殿は実際的思考だね、ずいぶんと。まぁ、みんな物の裏表と言うか、二重構造的なのは処世術ってことで、ちゃんと飲み込んでいたんだろうね

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もっと生きている世界を見ろ、書だけじゃなく、っていうのは昭姫姐さんの言ってることだもんね。道真はまだまだ、色んな人に揉まれないと(笑)
【応天の門】12巻 64話 在原業平、山中に桃源郷を見る事 Ⅲ
崖から落ちた道真が見たのは「隠り世」への入口。淵を潜ると、そこは豊かな村でした。しかし道真も業平たちも、みんな村人に捕らえらえ「ここを知られたら生きて返すわけにはいかない」と迫ってきました。
昔疫病が流行った時、老婆は人身御供となり崖から落とされたのですが、生き延びることが出来たのでした。役人は生きている間は何もしてくれない、なのに死んだら税金が減ると言って騒ぐ、村人たちは15になったらどちらの村に行くかをくじで引き、死んだことになって隠り世に行く。そして二つの村で作物を分けあって生き延びてきた、と老婆は語ります。
どうして上の村を捨てて、みんなで隠り世の村に移らなかったのか、と聞く道真に「浅知恵の阿保」と老婆(笑)。隠してるものが見つかったら、もっと大きなものが隠されているかと疑う。役人にはいくらか渡して頭を下げれば、目をつぶる。男の労役は米と違って蔵にはしまえぬからな、と老婆は説きます。
自分たちを殺せば騒ぎになって、やがてはこの村も知られてしまう、全ての痕跡は隠せないと業平たちが言うと、老婆は取引を持ち掛けます。下の村で採れる米のの一部を口止め料として渡すというのですが、その正確な計算に道真は驚きます。「これこそが実際に田畑を作る者に必要な学だ…」
買収に応じるかと問う老婆に、業平は「群司に知られず隠し通せる方法を考える」と約束してしまいます。是則が人質となって残り、業平と道真たちはいったん郡司の館へ戻り策を練って出直すことに。
郡氏の館ではたいそうなもてなしを受け、しかも砂金を賄賂として渡すほどため込んでいる様子。「そこまでして京に行きたいのか、ここの方が贅沢に暮らせそうなのに」と道真が言うと、まだ知らぬものは美しく見える、お前が唐に行きたがるのと同じだ、と業平は揶揄します。
あの村の者たちは法に背いている、検地をしに戻るか?あるいは賄賂を受け取って黙っているか?その方が長年保ってきた均衡が保たれる、どちらが理に適っているか、と言う業平に、道真は税の取り方自体が理に適っていないと応じます。
均衡など何一つとれていない、不作の年には不作の年の税法があるべきだ、税をきつくし人が減っては元も子もない、男が少ないのにムリな労役を強いるのもおかしい、だから誰も役人を信用しなくなる、人を動かすには正しい行いを自らがまず見せねばならない、と理想論を述べる道真に「お前の番になったらそうすればいい。だが村人に国司は選べぬ。法も税も決めるのは誰だ? お前はそれの手の届くところにいる」と業平は、道真のゆくべき道を示唆するのでした。
村人が納得する策、それは不吉な村なら道を塞ぐことだ、それには死んだ村人の魂を鎮めるための祠を立て、それで入り口を塞ぐというものでした。逃げれば追われる、追われれば捕まる、だから死んだことにした、それが村人たちの生き延びる策でした。何もかも解決したわけではない、しかしあの祠の向こうに救いがあることが、生きる助けになるのなら、それが桃源郷だと思っているのなら、今はそれでいい…。
【応天の門】12巻 64話のみどころ

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このお婆さん、ホントすごい! 生き延びるための知恵!
皆を守るための知恵…

らっち
税率とかも詳しく知ってるし、それで取引を持ち掛けるなんて、びっくり

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桃源郷と信じた方が救いなら、それでいい、と言うのも切ないけど、
生き延びる方策ですね。しかし業平さまって、太っ腹~
【応天の門】12巻 65話 土師忠道、菅原道真と遇する事 Ⅰ
864年富士山大噴火、いわゆる貞観大噴火が起き、駿河と甲斐の国に甚大な被害を及ぼしました。朝廷では富士山の浅間大神に更なる位階を与えて鎮まってもらおう、という案が出ていましたが、大納言伴善男は報告を待つだけではなくすぐに人をやって調べに行かせた方が良い、と提言します。しかしなかなか意見は纏まりません。噴火の収まらぬ所へ行きたがる者はおらず、誰が巡察に行くのか、かの地に詳しいものが良いだろうと喧々諤々。
その頃、昭姫の店に道真が香を求めに来ていました。そこへ、以前に針を失くした時に探すのを手伝ってやった縫子のタマがやってきました。二人でお喋りしながら帰る道すがら、タマが男にぶつかってしまい、男が持っていた酒甕が割れてしまいました。男は大納言様の家に届ける酒だったのに、どうしてくれるとすごみます。
そっちがふらついていたのではないか、と道真はつい反論し、『しまった、大納言の家のものに関わるのではなかった』と思うのですが、小僧と言われカチンと来てしまったのです。そのときタマをかばって大きな男が現われ、男を放り投げて追い返してしまいました。
引用【応天の門】灰原薬
道真は大男に礼を言いますが、あの時『自分は大納言様の名を出し、その威を借りようとした』と己を恥じます。大男はタマの父の友人で土師忠道と言い、左大臣・源信の従者でした。
左大臣は大層信心深く、しかも蟷螂にも怯えるほど気が小さいのですが、それを何かと庇い良く仕えていたのが忠道でした。忠道は左大臣に先ほどの大納言の従者との諍いの話をしますが、左大臣は「余計な手出しはするな。知らぬ存ぜぬでいろ。御仏がお守りくださる、気にするな」と言ってくれるのでした。
ところが先ほどの酒甕の男は、忠道の跡を付け左大臣家にかかわりのあることを調べ上げていました。大納言は「酒ひとつで余計な騒ぎを起こすな!」と叱るのでしたが、藤原一門同様、臣籍降下した源一門も、伴家にとっては邪魔な存在です。気の小さな左大臣にとって大男の忠道は大事なボディガード、そして大納言は忠道が甲斐の出だと知るとこれは面白いことになるかも、とうそぶくのでした…。
【応天の門】12巻 65話のみどころ

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大納言伴善男、業平少将、参議常行、さらに参議基経…。
まぁ、誰かの名前を出しちゃったら、ヤバいことになるよね…

らっち
カチン、とくると、つい口が先に出ちゃう…。
なんかいやな予感がするよ、大納言がらみだし

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タマちゃん…、これで伴家と繋がっちゃうのかな?
応天門の変まではまだ2年あるけど…

【応天の門】13巻 ネタバレ&みどころ 平安歴史ミステリー
平安歴史ミステリー「応天の門」の第13巻ネタバレ&みどころです。伴善男の家人・清縄ともめ事を起こしてしまった道真は、左大臣・源信の家のものである土師忠道に助けられました。清縄はそれが面白くなく…伴善男に告げ口。 伴善男はいよいよ左大臣の勢...
各巻の深読み・ネタバレはこちら
【応天の門】を今すぐ読むには
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「応天の門」の第12巻ネタバレ&みどころです。盗人の疑いをかけられた自分を解放させた人物が藤原基経と知った道真。彼の真意を知るため、基経の元を訪れたがー。道真&業平の最強バディが解き明かす平安歴史ミステリー。
【応天の門】12巻 62話 菅原道真、盗人に疑わるる事 Ⅱ
盗人と殺人の疑いを是か非にも晴らしたい道真ですが、業平は京にはおらず、もし父の耳に入り何か早まったことでもされては、と気が気ではありません。仕方なく、父は帝の侍読であり、これが冤罪だったら誰が責任を取るのか、上司である業平の留守にそんなことをしでかしたとなると…、と脅しをかけます。
脅しが聞いたのか1日だけ身の証を立てる時間が与えられ、訴え人の笹隆守が監視役で同行するというのです。時間のない道真は急いで昭姫の店や、色々な人に硯の情報を求めに奔走します。学生だったというので大学寮でも情報を得ようと行き、広相先生に相談していると「硯を売りに来た学生がいた」と言道が言い出します。
素行の悪い三人組の学生たちだったのですが、流行り病であっけなくなくなったというのです。道真はその学生の家に出向き、弔いに来た風を装って母親に硯の話を聞きだすと、確かにその硯は残されており、道真に形見として譲ってくれました。
無事に硯を取り戻し、犯人も分かったので一件落着と検非違使のところへ潔白を申し立てに行くと、手のひらを返したように道真をもてなすのでした。父・是清か大納言化、誰かが口利きをしたんだな、と勘繰っていると「今すぐ解放せよ」と言ってきたのは、参議・藤原基経だというのです…。
【応天の門】12巻 62話のみどころ


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らっち
しかし、基経がどうして? 大納言の次は参議、えらく大物たちに囲まれた感じだ…。狙いは何?


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しかも動きが早い。あの時、宮中で耳にしたわけでしょ。
お父さん、どうしてたの?
【応天の門】12巻 63話 在原業平、山中に桃源郷を見る事 Ⅰ
なぜ参議・藤原基経が自分を擁護したのか?父・是善が嘆願したのか?父にこれ以上藤原に頭を下げさせたくない…。礼を述べるために道真は基経の屋敷に赴きます。「なぜ私を助けたのか? 父が頼んだのか?」と聞くと、基経は先日教えてもらった漢詩の礼だと思えばよいと答えました。
しかし基経は実は下心があったのだと明かします。「そなたとこうして話してみたかった」のだと。忠臣も吉祥丸も「若いが才がある」と言って、お前に座を譲り身を引く、それがどのようなものか見たかったのだ、と。

引用【応天の門】灰原薬
道真が兄の日記に基経の前があったことを述べると、基経は「そうか、私を覚えていたか」と感慨深げな様子。そして突然、道真に自分の元に来れば、お前の望む学も位も手が届きやすくなろう、と言い出しました。
道真は『能有様が言っていた20年後の、藤原の勢力系統に菅家を取り込むつもりか』と緊張しますが、「菅家は学問で帝の世の栄に尽くしてきたので、帝以外には付くわけにはまいりません」しかも自分はまだ一介の学生に過ぎず、と言う道真に、基経は「おぉ、そうだったな。学問にまずは励め」とあっさり切り上げてしまいます。
ですが基経は最後に「道真、頭を下げる相手を間違えるな。お前の兄は間違えた、そなたと言えの為に」と声をかけるのでした。「私は兄とは違う」という道真に、基経も「私も兄どもと同じではない」というのでした。
基経の部屋から下がってきた道真は、そこで忠臣に出くわします。驚く忠臣…。理由を問われ、あらましを話したすけてもらった理由が分からないので、礼に来ただけだ、とそそくさと立ち去る道真ですが、「渤海のことを聞けばよかった…」なんて思ったりして…。
忠臣が基経のところへ行くと「あの若者は面白い。お前を脅かすほどの才というべきか」と基経が…。そして、お前のことは何もわかるまい、今まで通り、よき師、よき兄でいればよい、と言うのですが…。
さて、こちらは業平。目が覚めると怪我をしており、女たちに助けられていた様子。実は従兄弟の貴族に領地の巡察を頼まれて来たのでした。村は女人村と言われ、生まれるのは女ばかり、しかも15歳になる前に半分は死んでしまうという村、その調査に向かう途中業平は崖から足を踏み外し行方不明だったのでした。
助けてくれた女たちに送られ霧の中を抜け出ると、無事に従者たちと逢えたのですが、村の老婆が言うには業平があった娘たちはすでに亡くなった者たち、業平は隠れ世へ行きかけ戻ってこれたのだと…。
【応天の門】12巻 63話のみどころ


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忠臣の驚き方は、やっぱり尋常ではないんだけど、全然気が付かないのよね、道真。渤海のこと聞けばよかったなんて。聞かれたら、忠臣大変だよ~


らっち
忠臣としては絶対に知られたくない秘密だよ。それにしても、基経の本心はどこに? 本気で召し抱える気ではなかったと思うが…


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若い道真の技量を測った、ってこと? 自分というものを刻み込んでおきたかった、とか?


らっち
う~ん。吉祥丸の日記に自分の名前があったって聞いて、「覚えていたのか」って、嬉し気な感想だよね?


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道真ならずとも、吉祥丸が生きていたら?と思ってしまう。
あの時、手古は父に捨てられ、叔父に買われた、っていう傷ついた状態だったんだよね… 頭を下げる相手を間違えるな、それは自分への言葉でもあるのかな


らっち
しかし、お前の才を脅かすほどの才、と言われた忠臣はどういう心境なんだろう…

【応天の門】12巻 64話 在原業平、山中に桃源郷を見る事 Ⅱ
あんたは隠り世に行ったのだ、良く戻ってこれた、霧深い日に山で迷うと死んだ者に会うことがあるのだ、と老婆。戻れぬ者もいるが、あんたは運が良かったと言われ、業平たちは早々に都へ引き上げます。
業平の従者・是則が道真にどうか業平の命を助けてくれとやってきました。疫病や飢饉で死んだ者たちの棲む隠リ世、そこへ業平は迷い込んだというのですが、道真はそこで何か食べたかと尋ねます。業平はかゆを食べた、貧しい村と聞いていたのに米の粥が出て驚いた、と応えます。
道真はあの世の食べ物を食べたら、もうこの世には戻れない、戻ったと思っているが実は亡骸は崖の下にあるのでは?と脅します。道真は陶淵明の「桃花源記」という物語に書かれている隠り世、落人村の話をして、隔絶された村があるのかも知れないと言うと、脅しが効きすぎたのか、是則に泣きつかれ、とうとう村まで調べに行く羽目に。
道すがら検非違使ともめたらしいな、と聞かれた道真ですが、どうせ誰かから聞くだろうし、自分からわざわざいう事もないと基経の件は話しませんでした。
村の郡司の屋敷は、貧しい村という割にぜいたくな暮らしをしているようでした。郡司制度は4年任期で他の土地に移動させられるので費用がかかる、その蓄えの為に税の上前をはねる、それは贅沢をすためだけではない、と業平は言います。
国が定めた税法だけでうまく成り立っているわけではない、何かしらの小さな不正で均衡を保っていることもある、と業平は言います。女だけの村などある筈がない、だが男が生まれたとなると労役にとられる、だから女ばかりが産まれたことになっている、それでも頭数の税が取れるから逃散されるよりはましなのだ、と業平は理だけでは世の中が成り立って行かないことを道真に教えるのでした。
不正をしないと食っていけないのがおかしい、と道真は答えますが、彼の脳裏には昭姫の言った「帳尻合わすっていうのは、数のことだけではない」という言葉が甦ります。
業平が落ちた崖までたどり着くと、老婆が弔いの花だと言って崖から花びらを撒いていました。昔疫病が流行った時、娘3人が人身御供としてこの崖から身を投げたのだとか。その祟りで女しか産まれず、その女たちも子を産む前に死ぬ、ここはやがて消える村だ、と言うのですが。
その時道真がむかごを見つけます。山芋は栄養価が高い、この種を取って植えれば飢えがしのげると、崖っぷちから身を乗り出し転落!そして落ちた淵で見たものは…。
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隠り世とか落人村とか、そういう所は租税からは免れていたのよね。
そういう税のこと、道真はお役人的発想で捉えているけど…


らっち
業平殿は実際的思考だね、ずいぶんと。まぁ、みんな物の裏表と言うか、二重構造的なのは処世術ってことで、ちゃんと飲み込んでいたんだろうね


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もっと生きている世界を見ろ、書だけじゃなく、っていうのは昭姫姐さんの言ってることだもんね。道真はまだまだ、色んな人に揉まれないと(笑)
【応天の門】12巻 64話 在原業平、山中に桃源郷を見る事 Ⅲ
崖から落ちた道真が見たのは「隠り世」への入口。淵を潜ると、そこは豊かな村でした。しかし道真も業平たちも、みんな村人に捕らえらえ「ここを知られたら生きて返すわけにはいかない」と迫ってきました。
昔疫病が流行った時、老婆は人身御供となり崖から落とされたのですが、生き延びることが出来たのでした。役人は生きている間は何もしてくれない、なのに死んだら税金が減ると言って騒ぐ、村人たちは15になったらどちらの村に行くかをくじで引き、死んだことになって隠り世に行く。そして二つの村で作物を分けあって生き延びてきた、と老婆は語ります。
どうして上の村を捨てて、みんなで隠り世の村に移らなかったのか、と聞く道真に「浅知恵の阿保」と老婆(笑)。隠してるものが見つかったら、もっと大きなものが隠されているかと疑う。役人にはいくらか渡して頭を下げれば、目をつぶる。男の労役は米と違って蔵にはしまえぬからな、と老婆は説きます。
自分たちを殺せば騒ぎになって、やがてはこの村も知られてしまう、全ての痕跡は隠せないと業平たちが言うと、老婆は取引を持ち掛けます。下の村で採れる米のの一部を口止め料として渡すというのですが、その正確な計算に道真は驚きます。「これこそが実際に田畑を作る者に必要な学だ…」
買収に応じるかと問う老婆に、業平は「群司に知られず隠し通せる方法を考える」と約束してしまいます。是則が人質となって残り、業平と道真たちはいったん郡司の館へ戻り策を練って出直すことに。
郡氏の館ではたいそうなもてなしを受け、しかも砂金を賄賂として渡すほどため込んでいる様子。「そこまでして京に行きたいのか、ここの方が贅沢に暮らせそうなのに」と道真が言うと、まだ知らぬものは美しく見える、お前が唐に行きたがるのと同じだ、と業平は揶揄します。
あの村の者たちは法に背いている、検地をしに戻るか?あるいは賄賂を受け取って黙っているか?その方が長年保ってきた均衡が保たれる、どちらが理に適っているか、と言う業平に、道真は税の取り方自体が理に適っていないと応じます。
均衡など何一つとれていない、不作の年には不作の年の税法があるべきだ、税をきつくし人が減っては元も子もない、男が少ないのにムリな労役を強いるのもおかしい、だから誰も役人を信用しなくなる、人を動かすには正しい行いを自らがまず見せねばならない、と理想論を述べる道真に「お前の番になったらそうすればいい。だが村人に国司は選べぬ。法も税も決めるのは誰だ? お前はそれの手の届くところにいる」と業平は、道真のゆくべき道を示唆するのでした。
村人が納得する策、それは不吉な村なら道を塞ぐことだ、それには死んだ村人の魂を鎮めるための祠を立て、それで入り口を塞ぐというものでした。逃げれば追われる、追われれば捕まる、だから死んだことにした、それが村人たちの生き延びる策でした。何もかも解決したわけではない、しかしあの祠の向こうに救いがあることが、生きる助けになるのなら、それが桃源郷だと思っているのなら、今はそれでいい…。
【応天の門】12巻 64話のみどころ


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このお婆さん、ホントすごい! 生き延びるための知恵!
皆を守るための知恵…


らっち
税率とかも詳しく知ってるし、それで取引を持ち掛けるなんて、びっくり


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桃源郷と信じた方が救いなら、それでいい、と言うのも切ないけど、
生き延びる方策ですね。しかし業平さまって、太っ腹~
【応天の門】12巻 65話 土師忠道、菅原道真と遇する事 Ⅰ
864年富士山大噴火、いわゆる貞観大噴火が起き、駿河と甲斐の国に甚大な被害を及ぼしました。朝廷では富士山の浅間大神に更なる位階を与えて鎮まってもらおう、という案が出ていましたが、大納言伴善男は報告を待つだけではなくすぐに人をやって調べに行かせた方が良い、と提言します。しかしなかなか意見は纏まりません。噴火の収まらぬ所へ行きたがる者はおらず、誰が巡察に行くのか、かの地に詳しいものが良いだろうと喧々諤々。
その頃、昭姫の店に道真が香を求めに来ていました。そこへ、以前に針を失くした時に探すのを手伝ってやった縫子のタマがやってきました。二人でお喋りしながら帰る道すがら、タマが男にぶつかってしまい、男が持っていた酒甕が割れてしまいました。男は大納言様の家に届ける酒だったのに、どうしてくれるとすごみます。
そっちがふらついていたのではないか、と道真はつい反論し、『しまった、大納言の家のものに関わるのではなかった』と思うのですが、小僧と言われカチンと来てしまったのです。そのときタマをかばって大きな男が現われ、男を放り投げて追い返してしまいました。

引用【応天の門】灰原薬
道真は大男に礼を言いますが、あの時『自分は大納言様の名を出し、その威を借りようとした』と己を恥じます。大男はタマの父の友人で土師忠道と言い、左大臣・源信の従者でした。
左大臣は大層信心深く、しかも蟷螂にも怯えるほど気が小さいのですが、それを何かと庇い良く仕えていたのが忠道でした。忠道は左大臣に先ほどの大納言の従者との諍いの話をしますが、左大臣は「余計な手出しはするな。知らぬ存ぜぬでいろ。御仏がお守りくださる、気にするな」と言ってくれるのでした。
ところが先ほどの酒甕の男は、忠道の跡を付け左大臣家にかかわりのあることを調べ上げていました。大納言は「酒ひとつで余計な騒ぎを起こすな!」と叱るのでしたが、藤原一門同様、臣籍降下した源一門も、伴家にとっては邪魔な存在です。気の小さな左大臣にとって大男の忠道は大事なボディガード、そして大納言は忠道が甲斐の出だと知るとこれは面白いことになるかも、とうそぶくのでした…。
【応天の門】12巻 65話のみどころ


める
大納言伴善男、業平少将、参議常行、さらに参議基経…。
まぁ、誰かの名前を出しちゃったら、ヤバいことになるよね…


らっち
カチン、とくると、つい口が先に出ちゃう…。
なんかいやな予感がするよ、大納言がらみだし


める
タマちゃん…、これで伴家と繋がっちゃうのかな?
応天門の変まではまだ2年あるけど…



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